ブログ木の便り

2018年8月

カンナを仕込む

カンナを仕込む

道具を使っていると、道具も摩耗してきます。

刃物が0,1ミリ単位で研ぐたびに擦り減ったり、カンナの台はいつも直すので、特に減りが早く感じます。

0,1ミリを10回重ねると1ミリ減ります。

重ねるうちにカンナの刃【仕込み】が緩くなります。

緩みを直すため紙一枚分を貼ることで、調節します。

物作りにおいて、【仕込み】と言う言葉は、すべてに通じているかもしれません。

とても大切な事だと思います。
テーブル カンナ削り

テーブル カンナ削り

テーブル板をカンナで削ります。

カンナで削ることで、板がより平らになります。

そして何より、塗装後の輝きが一段と増します。

以前は、ベルトサンダーや、ランダムサンダーで(機械)で仕上げていましたが、塗装後の仕上がり肌に納得がいきませんでした。
「木目が光らない」おそらく顕微鏡レベルだと、表面の光沢(塗装の光沢ではない)がサンドペーパーだと、くすんでしまう。

それに気づき、カンナで仕上げるようになりました。

テーブルをカンナで仕上げる、この難しさは
「やった事のある方」にしか分からないと思います。

私もまだ、納得できる削りができませんが、生涯をかけて挑戦いたします。
テーブル加工

テーブル加工

前回の木材を削り、接ぎ合わせ(板の幅をくっつける)
をしたものです。

写真、右が加工前の木材です。

材木を平らにしたり、直線を出すのはとても難しいです。

家具職人を目指す方は、これが出来れば十分かと私は思います。

どこまでを平ら、どこまでを直線とするか
個の判断になりますが......。
私は1~2ミリの誤差までとテーブルに関しては判断しています。

例えば、長さ1800mmの材を接ぎ合せる所の隙間は
1ミリ作ります。
これは【中隙】(わざと隙間を作る)と言って木の収縮を考え、両端の端からくっつけた面が剥がれないよう、中心にテンションをかけます。

中略
文章では伝わりにくい所がたくさんありますので......。
ご興味がございましたらお電話でも対応いたします。


けれど、ここの楽しみは【木目を作る】ことです。

材木次第もありますが、どの材木の木目をどこと繋げるか、
かなり考えます。

お客様の好みも考えて、自然な感じ、力強さ、優しさなど、
【木目の個性とお客様の好みを合わせていきます。】

何度もひっくり返したり、反転したり
たぶんそれが一番、疲れるのかもしれません。

私の中で、ここまでで8割終わっています。
テーブル材

テーブル材

今回はクルミと言う材木です。
この材木は削ると肌色のようなピンク色になります。

改めて今の状態を見ると、汚れているだけのように
見えますが...。

まあ、ここからがいつものスタートなので
特に何も感じなくなっています。

私には完成が見えているので、

手を動かします。
箸の上塗り

箸の上塗り

以前、箸先について箸の先端を強くすることを書きましたが、

より丈夫にするために乾かない内に漆を先端に集めます。
そのため逆さに吊っております。

集めすぎると漆が「ちじみ」をおこします。
(表面にシワが寄りシワの中の漆が乾かない)
これが出ると、大失敗!
全て刃物で剥がし、やり直しです。

リスクは高いですが、
やらないで後悔するより
やって後悔した方が自分に向いてます。

より良い商品になりますよーに。




上塗り後

上塗り後

昨日塗った物を漆室(うるしむろ)に入れます。
温度と湿度の高い、木の箱です。

漆を乾かすには、温度と湿度と空気(酸素)が必要です。

それは漆の成分の酵素が化学反応をして硬化するためです。


絵具やペンキのように、水分が飛んだり、溶剤
(水、石油類、アルコール)が揮発して硬化しません。
乾いたとしてもほとんどの物がシンナーで
溶かすことができます。

ですが漆は、一度固まると溶かす事が出来ません。

失敗すると、すべて研いでやり直しになります。


その分、本物の漆器は丈夫で安全です。


今回の「はつり椀」も上手く塗れたと思いますので、
根来模様もイメージ通りに出せると思います。
一安心です。