なかもく

制作風景 工房にて

なかもく(中本木工研究所)は、茨城県那珂市にある木工房です。中本晋と妻の文子は共に木工職人であり、輪島塗を学んだ漆塗り職人。家具や食器のひとつひとつを、自宅に併設した工房で製作しています。

オーダーメイドの家具や食器は、依頼主の希望やイメージに寄り添いながら、必要な要件を踏まえて形にしていきます。だから、同じ物はひとつとしてありません。依頼主との対話から生まれるなかもくの仕事には、ひとつひとつ物語があるのです。

なかもくに求める私の理想像

「ものづくり」というものは古来より脈々と行われてきました。
人が生きる限り「もの」は作られ、時には暮らしを良くするものとして、時には文明を大きく引き上げるようなものとして、様々なものがあったように思います。
お客様からの依頼で古いものを直す時、私はかつての職人たちとその「もの」を通して語ることがあります。
分解してはじめて現れる当時の技術やこだわりに、「よくぞここまでしたものだ!」と、匠の技に教わり、また、対話している気持ちになるものです。
そうした時代を超えた、職人同士にしか語り合えない世界があるのが、ものづくりの楽しみのひとつでもあります。

私自身、そうしたものづくりの世界に身を置く者として、100年先にも残る芸術品をつくりたいという気持ちが常にあります。
もちろん、生活に根ざしたものを作ることも必要ですし、それを軽視しているわけでもありません。
しかしながら、かつて幕府専属の匠がいたように、過去の技術を学び、それを現代の技で新たに蘇らせるような芸術品を残し、またそれを次の世代の匠へとつなげていきたいという気持ちが止むことはありません。

そうした理想だけでは商売にはならないことも十分に知っていますし、青くさいと言われるかもしれません。
それでも自分の持てる全ての技術を使って挑戦をしたいという気持ちがあります。
ものづくりというものは、どこまで行っても完成というものがありません。
その未完成なまま「時代を超えて完全を求めるエネルギー」をこそ、私は作品の中にいつか残していきたいと考えています。
それは、一生をかけて追い求めるものでしょう。
もしかすると死してもなお、追い求めるものかもしれません。
そのような100年、200年残していく、そして未来の匠が「よくぞこの時代にここまでしたものだ」と対話できるようなものをつくりたいと思っているのです。
それが「ものづくりの匠」としての使命であると、私は考えています。

中本 晋

代表 中本 晋

代表 中本 晋

1980鳥取県生まれ
1996木工所でのアルバイトで木工に興味を持つ
1998京都伝統工芸大学校で京指物を2年学ぶ
2000石川県立輪島漆芸技術研修所素地科で漆塗を3年学ぶ
2005茨城県石岡市に移住
いくつかの木工所に勤務
2011自宅兼工房を建て
中本木工研究所をはじめる
2014いばらきデザインセレクション
はりぬき漆器 選定受賞
2017LEXUS NEW TAKUMI PROJECT
茨城県代表として参加
ウェブマガジン いばらきと暮らす
なかもく掲載